涙を流しながら食べたお弁当は少ししょっぱかったけど、おいしかった。



豊が作ってくれた朝ごはんと同じくらいおいしかった。



ママが作ってくれた朝ごはんと同じくらいおいしかったよ。




「ごちそうさまでした」



たった一人の食事は味気ないなんていうけど、そんなことない。



沢山の優しさが詰まった食事は最高だった。



あたしにはもったいないくらい。



食事を済ませ、お風呂に入って横になったけど眠れない。



目を閉じると宗の顔ばかりが浮んできて。



あたしはどうすればいいのか。



どうすればよかったのか。



宗はどうするつもりなのか。



そんなことばかりを考えているうちに朝になっていた。



カーテンの隙間からは朝日が入り、小鳥の囀りなんかも聞こえてくる。



寒いのに、小鳥は外にいて大丈夫なのかな?



窓から外を眺めながら、あたしはその小鳥が宗と被ってしまう。



宗はどんな朝を迎えてる?



寒さに丸まりながら一人寂しく朝を迎えたのだろうか?



宗、あたしにはいくら考えてもわからない。



どうすれば宗に気持ちを伝えられるのかわからないよ。