あたしはお弁当を開け、テーブルの上に広げた。



「こんなに沢山」



豊の優しさ。



大輔さんの優しさ。



豊のお母さんの優しさ。



それが痛くてたまらない。



あたしは人に優しくできないのに、あたしの周りにはこんなにも沢山の優しさが……



あたしにもこの人達のような優しさが少しでもあったら、宗はあんな風にならなかったかな?



一口、二口、お弁当の中身を口に入れるたび、みんなの優しさが染み渡ってくる。



「あたしはどうすればいいんだろう」