あたしの演技もなかなかいけるじゃんなんて心の中で思いながら大輔さんが本当に連絡しないかどうか、横目で行動を見張っていた。



「そろそろ行きますね」



「本当にありがとうございました」



あたしは頭を下げるために起き上がろうとすると「寝てて下さい」と大輔さんに体を押さえられる。



「それと、これ……さっき慌てて走ったから、中身が崩れてるかもしれないですけど……。豊さんからです」



そう言ってテーブルの上に置かれたのは、紙袋に入ったお弁当。



あたしの夜ご飯だ。



「それじゃあ」



大輔さんはそう言って部屋を出て行った。



「何かあったら必ず連絡してください」とあたしに釘を刺して。