あたしが完全復活を遂げたのは、祐樹に話を聞いた日から二日後。



熱はもう出ることはなかったけど、何故か体が重たかった。



それは風邪のせいではなく、きっと心のせい。



豊を待っていても、顔を出してくれないことに落ち込んでいった。



でも、限界だった。



豊があたしのことを心配してくれなくても、あたしは会いたい。



豊に会いたくて、会いたくて、その気持ちが限界だった。



「今日、豊の家行くから」



「じゃあ大輔に連絡しとく。送ってもらえ」



「うん。色々とありがと」



大学に行く準備をしている祐樹はバタバタと慌ただしい。



「気持ち悪いこと言ってんな。俺まで熱が出そうだ」



「そうかよ!!もう二度と礼なんて言わねぇからな!!」



「はいはい」



「じゃあな」とあたしの頭に手を乗せた祐樹はあっという間に出掛けていった。