湯気がフワフワとあがっている鍋からお粥を救い上げ口へと運ぶ。



「梅とか昆布とかないの?」



「そんなもんねぇ」



「だよな」



あたしは豊のお母さんが作ってくれた卵粥を思い出す。



あれが食べたいな。



「お前、昨日って言ってたけど丸一日に寝てたぞ」



「はっ?」



祐樹の話だと……



あたしは玄関の前で蹲ったまま寝ていた。



豊からの連絡は祐樹の耳に入ることはなく、祐樹は何も知らずに帰ってきて、玄関の前で蹲るあたしを見つけた。



いくら起こしても起きないあたしの体は熱くて、祐樹はあたしを家の中へと運んでくれた。



着替えをさせようとすると、あたしは目を開き自分で着替えたらしい。



そんな記憶は全くないけど……