今までだったら、好きじゃないって大袈裟に否定したと思う。



でも、この気持ちはもうそんなことじゃ誤魔化しきれない。



あたしは豊が好きだ。



いつも眉間にシワを寄せて、あたしを睨み付ける目も……



淋しくなったあたしをフワッと抱き締めてくれる温もりも……



めったに呼んでくれないけど、あたしの名を呼ぶあの声も……



全部全部好きだ。



好きって気持ちを説明なんてできないけど、あたしの全身がそう感じてる。



あたしの心がそう思ってる。



あたし……



いつの間にか自分で自覚してしまうほど、豊を好きになっていた。