あたしの言葉にきょとんとした顔をした明美は首を傾げる。



「カナ……何も聞いてないの?」



「だから、何がだよ?!」



明美はさっきとは違う顔をしてあたしの前の席の椅子に座った。



豊の周りにいる奴らはみんなそう。



いつもはおちゃらけてるのに、たまにこうやって真剣な顔をする。



その時の目付きはまるで別人のようであたしは何度見ても慣れない。



「今チームが色々とあるのは聞いてる?」



「揉めてるとしか聞いてない」



「そっか……私はカナの友達として話すから。カナは絶対に知っておいたほうがいいと思うし」



「あぁ」



友達って言葉が少しくすぐったい。