「秀ー,秀ー?ご飯よー。起きなさいー」


「んー…」

母の声で目が覚めた秀は,あくびをしながらむくりと起き上がる。

「ふあぁ~‥、やべ、もうこんな時間か。」

時計を見ながら背伸びをすると,ベッドを降り,着替えをするため寝巻きのシャツを脱ごうとした。
すると…


─ガチャ!

「え?」

「おっはぁーー☆☆秀ちゃーん!!!」

「い,壱っ!?…うわっ!!」


ガタンッ!!!

壱紀はおかまいなしに秀を押し倒すと,秀の上であぐらをかきながら辺りを物珍しそうに見回す。

「へぇー,ここがしゅーちゃんの部屋かぁ。結構綺麗にしてんなー。お!漫画発見♪」

「いででで!!足踏むなって!!」


そんな秀の言葉をよそに,壱紀は部屋を物色し始めた。
秀は押し倒された時に打った頭を押さえながら,必死に今の状況を分析する。


「つーかなんでお前がここにいるんだよ?!」

「なんでって迎えに来たんだよ。」

「だからってなんで部屋にまで入ってくる必要があんだよ!不法侵入かお前!!」

「いや,俺,しゅーちゃんちの門の所で待ってたらさー…」