「わ-,ありがとうございます!」

「凄い-!美味しそ-!しゅーちゃん達も見てよ!」

「あ!もしかして奈央の言ってた新入部員さんですか?」

女子生徒は秀に気付いたようだ。

「あ,はい」

「私,3-Aの『花耶 優貴(ハナヤユキ)』と申します。どうぞ宜しくお願いします。」

容姿端麗な彼女の笑みに秀は暫く見とれていた。

「宜しくお願いします。」

「実は奈央から預かっていたんですが‥。」

優貴は鞄からあるものを取り出した。

「鍵?」

「この部室の鍵です。これで正式に部員ですね。」

秀は優貴から鍵を受け取った。





─ガチャ!!


再び,今度は勢いよくドアが開けられた。

「っと危ねぇ,またドア壊すとこだったぜ。」

「ちょっと気をつけてよー。また修理代よこせとか言ったらキレるからね。」

「今回は無事だって。未遂未遂。」

「はいはい,いーからとっとと入ってよ。」

何やら入口で立て込みながらも,また二人の男子生徒が入ってきた。
一人は金髪に近い髪をガッツリとワックスで立てた強面の印象,もう一人は耳から唇まで複数のピアス,青髪の中性的な男子生徒だ。
二人は,背負っていたギターケースらしきものを壁に立てかけた。