パチンコ店の空気がすごい重く感じる・・・
この仕事をしてから自分にはある種の特殊能力がついたと思う
店の雰囲気 空気が変わるのを敏感に感じ取れるようになった

とりあえず席を立ち ジュースで喉を潤す事にした
この行為は 周りの様子見 というのを兼ねている

各島を見てまわると・・・ 明らかに店員の数が違う
しかも自分達が居る島 スロットのピエロの島から離れている
これはかなり危険だと感じ トイレに入り頭にメールを打った

「ちょっとヤバくないですか? 店員の様子が明らかに違いますよ」
便座に腰掛け 今送ったメールを削除した

すぐに返事が返ってきた

「全員で車の所に集合して移動」

自分はどうするか悩んでいた

移動という事はまだ違う店で続行する と言うことだ
しかし入店して1時間でこんな状態になってしまったのが
非常に気になっていた

「自分今日は休みます サウナに戻っときますね」

気分がのらない時に無理をしていい事はない
それがこの仕事で学んだ教訓だった

「ならまた連絡する メール削除しろ」

言われなくてもわかってるよ と思いながら
今のメールを全て削除して トイレから出た

カウンター前で仲間がコインを流しているのを横目で見ながら
そのまま店を出た

さて どうやったら帰れるのだろう

近くのバス停でルートを確認した
しかし知らない土地のバスと地下鉄ほどややこしいものはない

10分ほどして やはりタクシーが一番楽だとタクシー乗り場に向かった

自分の格好を見てちょっと嫌な顔をした運転手
ニッカをはいて明らかに作業員風だったからだろう
こんなの全然汚れてないのになぁ と思いながら行き先を告げる

目を閉じて 少し興奮気味の自分を落ち着かせた
何事も無くても やはりこんな状況は厳しいな

しばらくすると運転手がつぶやいた
なにがあったんだ?

その声を聞いて外を見ると
そこには多数の警官に囲まれた仲間達が居た