「それ、知ってる。うちの学校でもやったよー、懐かしいなぁ」


翌日、同期で同い年の山崎美園(やまざきみその)とランチをしながら、届いたタイムレターについて話していた。
美園は就職を期に実家を出て、独り暮らしをしていたために、タイムレターが直接手元に届いてはいなかったらしく。
私の話を聞き、思い出す様に懐かしんでいた。


「きっと私のタイムレターも、実家に届いてるんだろうなぁ。やだなぁ、絶対に読まれてるよ。恥ずかしい」なんて、パスタグラタンを口に運びながらタイムレターを気にしていた。

そんな美園に、私は過去の自分に返事を書いた事を告げると、返ってきた返事は「バカじゃないの?」の一言に尽きた。


「言われなくても分かってます」


自分でもバカだと思うよ。
出しちゃった後、家に帰ってからどれだけ後悔したと思ってるのよ。
「やっぱり出さなきゃよかったー」って何度思った事か。

でも、集荷の時間に合わせてポスト前で局員さんを待ち伏せするわけにもいかないし。
例え捕まえる事が出来ても、出した手紙を返してくれるか保証もなかったし。


「出しちゃったものは仕方ないし、いいの。どうせ郵便局で破棄してくれるよ」


なんて、根拠の無い事を口にした。