ならば、この手紙は誰からなの？ と聞かれても、それは私が一番知りたい事で。
まずはタイムレターの返事を書いて、ポストに投函した経緯を瑞穂ちゃんに話してみた。
「いい歳して何やってんのよ。香澄ってばー」
瑞穂ちゃんはお腹を抱えて大声で笑いだし、おまけに涙まで出している。
やはり子供じみた行動をした私を知り、瑞穂ちゃんに美園と同じ反応をされてしまった。
「そんなに笑わないでよ」
「ごめんごめん。で？ この手紙の指示通りに私のトコに来たってわけ？」
「そうよ。瑞穂ちゃんに会ったら、なにか分かるかもしれないと思って」
読み終えた手紙を畳みながら、瑞穂ちゃんは大きなため息をつき私を見つめると「手紙の送り主に思い当たる人はいないの？」と私に手紙を返しながら呟いた。
思い当たる人なんていない。
手掛かりというような手掛かりはないし。
私の手元に在るのは、この空色の手紙だけなのだから。
「でもさ、当時の私達の仲を良く知っている人物ってことだよね？」
「そういうことになるかな」
瑞穂ちゃんと私の事情を良く知る人物なんて居ただろうか。
同じクラスだった女子？
誰かも分からないし、そもそも瑞穂ちゃんとの事を誰かに相談した記憶さえないのに。
