バッグに忍ばせていた封筒を取り出した私は、瑞穂ちゃんがタイムレターを見せてくれた様にテーブルの上にそれを差し出した。


「ん？　なにこれ。香澄のタイムレター？　読んでいいの？」


瑞穂ちゃんは、テーブルの上に置かれた空色の手紙を私が書いたタイムレターだと思い、手に取って封筒の中から便箋を取り出し目を通し始めた。


「……この手紙、瑞穂ちゃんが送ってくれたんでしょ？」

「私？　違うよー。　私が送ったなら自分の名前書くってば」


これは香澄が書いたタイムレターなんでしょ？　と逆に聞き返されてしまい、予想が外れた私は少しガッカリして肩を落とす。


瑞穂ちゃんじゃなかったのか。
なら、この手紙はいったい……。


「ねぇ、浩太の名前が書いてあるじゃん。私にも話さなかった浩太のことを、誰かに話したことがあるんだとしたら、これは私に対する裏切り行為だよ？」

「してない！　誰にも話したことないって」


ジロリと瑞穂ちゃんに鋭い視線を向けられた私は、脇に変な汗をかきながら必死で否定する。
せっかく仲直りしたというのに、また瑞穂ちゃんに誤解されてしまったら元も子もない。


「ホントでしょうね？」

「ホントだってば、信じてー」