「瑞穂ちゃん……私が葉山君の事を好きだって知ってたの?」
「知ってた、というか。一緒にいて気が付いたってカンジかな。香澄の態度って、かなり分かり易かったし。あぁ、浩太が好きなのかぁって気づいちゃった」
葉山浩太(はやまこうた)君。
中学時代に私が片思いしていた相手。
この気持ちを打ち明けずに密かに想いを寄せていた。
サッカー部のキャプテンで、クラスの人気者で。
勉強も出来て、まさに文武両道。
何をやらせても百点満点の人だった。
そんな彼に片思いをしてみても、それは高望みというやつで。
だから、誰にも話した事が無い私の秘密だったのに。
なのに。
瑞穂ちゃんには、完全に気付かれてたなんて。
「まぁ、あの頃は私も浩太のこと好きだったしね。打ち明けてくれない事も含め、単なるヤキモチも少し入ってたから、香澄を孤立させたクラスの女子達を止めなかった。ごめん」
サラッと話してくれている瑞穂ちゃんだけど、同じ人を好きだったなんて知らなかった私には、かなり衝撃的な話で。
気の利いた返しも出来ずにいる私に、瑞穂ちゃんは更に驚くことを口にした。