「そっか。」
優しい杉浦だから、
この嘘に気づいていたとしても、
知らないフリをしてくれたんだろう。
「「………」」
なんだか気まずいまま、
お互い分かれる道まで来た
本当のこと、今ならまだ言えるかもしれない。
でも、なんと言うか、タイミング?とかシチュエーション?とか、なんとか、、
とにかく今は違うような気がするんだよね
なんて誰に言う訳でもないのに
必死に弁解している自分が少し可笑しかった。
馬鹿みたい…
「じゃあね。」
杉浦はそう言うと、手を軽く振りながら
笑顔を向けてくれた
…無理して笑わなくていいのに。
「うん、ばいばい。…またね。」
どうして、またね。なんて言っちゃったんだろうな
もう、会いたくないのに。
そう思いながら日が暮れはじめた空を見上げた
眩しいくらい 赤く、染まった空だった