「杉浦は何部に入ったの?」

「バスケ部だよ。」

「ああ、そういえば中学でもバスケ部だったもんね」



今思い出した。まるで興味なかった。

そう言うように、サラッと言った。
本当は覚えてたし、聞く必要なかったんだ。


でも 間違っても、杉浦がバスケ部だったから
バスケ部でマネージャーしてるなんて、そんなこと思われたくなかった。勘違い、されたくなかった。




「…さっきの、福井くん?もバスケ部?」

「そうだよ。」


へえ。とか気の抜けた返事をする杉浦
さっきから聞いて来るくせに、何でそんな返事すんの。

自分が何でこんなことで怒ってるのかも分からないけど、ただ、興味なさそうにされるのが嫌なだけ。

他の人にされても…多分同じ。


「それがなに?」


ちょっと不機嫌な声を隠しきれなくて
あ、失敗したと思った


「いや…。仲良いんだなと思って。」

「まあクラスも同じだしね。そりゃあ嫌でも仲良くなっちゃうよ。席前後だし。話しかけて来るし。」



だけど、それがどうした?なんて聞こうと思ったけど。
聞きすぎると、多分困ったように笑うから。
困らせたいわけじゃないから。