「いえ、全力を尽くすのが医者の役目です。それに志帆の高校時代の先生ですしね。」

「あー、夏山ですか。高校時代から男女共や先生方にも人気でしたよ。賢いし美人だし文武両道のやつでしたね。」



男女共にも先生達にも人気?
志帆って人気者だったんだな。

確かにわかる気がする。


そんなことを考えながら良平君の病室の前に到着した。

中から話し声が聞こえる。


「さっきよりは楽だよ。
ねぇ、僕ってサッカーまたできるかな?」

「良平君の不整脈って病気は完治しない病気なんだけど結城先生がきっとサッカーできるようにしてくれると思うよ。」



俺がきっとよくさせるって?
俺って何気に信用されてる?



「本当に?」

「だから辛い治療もこれからあるけど頑張っていこうね。」

「ありがとう、なっちゃん!
僕、ずっと不安だったんだ。でも安心した」

「へ〜?余程俺のこと信用してんじゃん。」