ああ、それで……。

 一同は納得した。

 自信を持って作成したシミュレートはベリルの動きに対応出来ず、あっけなく軍チームは破れたのである。

「あれで俺の評判がやや落ちたのだ!」

 これが怒らずにいられようか!

「そのあと何か言われなかった?」

「え?」

 ディランの言葉に視線を上げて考える。

「ああ、そういえば。ここのプログラムがどうのとか言ってたような」

 傭兵のくせに! 思い出して体を震わせた。

「で、そのプログラムは言われたとおりにしたのか?」

「する訳がないだろう! なんで傭兵に言われて書き換えなきゃいけないんだよ!」

 白銀とディランは声を張り上げるバルパルを見やり、互いに目を合わせた。

「まあいい。とりあえずベリルが到着するまで、そのロボットの資料を出来るだけまとめておいてくれよ」

「解った」

 バルパルは渋々、まとめ作業にとりかかった。



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