「あいつなんか呼ぶな」

 眉を寄せて拒否した様子に首をかしげた。

「なんで?」

「嫌いなんだよ。偉そうだから」

「ああ、そういうこと」

 人によってはそう捉える場合もあるかもね。と、ディランはさして抑揚のない返事を返した。

「死なないからっていう言動が端々に見えたりしてよ」

「なるほどねぇ」

「解るだろ?」

 同志を見つけたように笑みを浮かべる。

「そうだね。きっとバルパルのしゃべり方が嫌いな人もいるだろうしね」

 笑顔で返され、何も言えずにディランを見つめた。

「と、とにかくだ。そいつは呼ぶな」

「そう言われてもさ、俺たちだけじゃ対処出来ないから、呼べないならキャンセルするけど。いい?」

 これまたしれっと返され、ぐうの音も出ない。

<問題ないそうだ。連絡先を教えておいたから、じきにそっちにかかってくる>

 バルパルとディランのやり取りを横目で眺めていた白銀に、仲介屋からの返事が返ってきた。