いくら馴染みの友人でも、こればかりはすんなりと受ける訳にはいかない。

「こういうのが得意そうな奴を知っとるじゃろ」

 ナナンが意味深に発した。

「あん? ああ、あいつか」

 しばらく考えて思い出す。

 確かにあいつ以上の適任はいそうにないが、果たして今どこにいて暇なのか。

「知ってる奴はあいつしかいないしな。仕方ない」

 小さく溜息を吐いて、パンツのバックポケットから手にすっぽりと収まるサイズの端末を取り出した。

 軽く操作していくと、馴染みの顔が映し出される。

<おう白銀、どうした>

「ベリルがどこにいるか調べてくれないか」

<ん? あいつに用事か>

「ああ」

 映し出されている灰色の肌の男に返し、返事を待つ。

 この男は、寄せられてくる依頼を振り分ける仲介屋だ。

 白銀の場合、メンバーが多いため比較的難易度の高い依頼が振り分けられてくる。

 もちろん、今回のように指名される事もある。

「ベリル? あのベリル? 傭兵で不死者(マクロディアン)の?」

「知ってるの?」

 いぶかしげに問いかけるバルパルに、ディランが聞き返す。