ナナンは息を殺してロボットに近づく。
しばらくロボットの動きを眺めて、意を決したように目の前に立ちはだかった。
前に上げた両手をロボットに向け、険しい表情で睨み付けるとロボットの動きが鈍くなった。
「むむっ……。こいつはなかなか、押さえるのが億劫(おっくう)じゃな」
耐えるように奥歯を噛みしめた。
「じいさん!」
ロボットから放たれた閃光は、飛び出してきた白銀の目の前で輝きを散らして消えた。
すかさずナナンを抱きかかえて道の脇に身を隠す。
「何やってんだよ」
「いや、動きを止めればスイッチを押せるかと思ってな」
「動きを止めても武器が危険だからだめだって話し合っただろうが」
「エナジー・ブレインが三人もおるんじゃぞ。何か方法があるはずじゃ」
<それはターゲットの目前でなければならないのか>
ベリルが割って入った。
「視界に入れば入るほど、それだけ力を向けやすいのじゃよ」
<ふむ。では、交互にシールドと動きを止める芸当は可能か?>
「なんだって? 順番に電磁シールドを使えってか? タイミング難しいなおい」
「その必要はない」
追いついたリャムカが応えた。
「我々が同調すれば、電磁シールドを使わずにシールドを張ることが出来る」
「動きを止めなきゃ向かってくるじゃないか」
シールドに集中してしまったら、ロボットの動きを止められない。
「地図と照合したが、すぐ近くに大通りがある」
<障害物は>
「なかった」
「何をする気なんだ?」
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