いつから不死なのか、どうやって不死を得たのかは誰も知らない。

 話すのが面倒なのか、話したくないのか──

 いずれにせよ白銀たちにとって、この手の方面では頼りになる人物である事は間違いない。

「これではらちがあかんわい! 別れるぞい」

「あ、お師さま!?」

 進展の見られない状態に苛ついたナナンが、何も持たずに弟子から離れていった。

 歳を取っているとはいえ、それなりに場数を踏んできた師匠ならば心配はないと思いつつリャムカは躊躇(ためら)いがちに見送る。

「すまない、お師さまが別行動を」

<仕方がない。ナナンは無理な攻撃は避けるように>

<了解じゃ!>

 ベリルに応え、表示されている位置を確認しつつ移動する。

「これが奴で、これがあやつか。ふむふむ」

 つぶやいて動き出す。その点の動きに白銀が眉間のしわを深くした。

「じいさん何やってんだ?」

 うろうろと挙動不審を続ける紫の点をいぶかしげに見つめるが、緑の点はそれに合わせるような動きを見せ始めた。

「うん?」

 なんだ? ベリルは何かやる気なのか?

 紫の点は、赤い点の進む方向に向かおうとしているようだった。その対角線上に緑の点が進んでいく。

「おい、まさかじいさん」



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