──武器の確認を三十分ほどで終えた白銀たちはベリルの元に集まる。
グレーのミリタリー調の服に着替えたベリルは、集まった一同を一瞥した。
テーブルの中心にコインに似た黒い物体を置き、B5サイズほどのモバイルコンピュータを開くと、コインから淡い光が扇状に拡がり、どこかの町並みが立体的に表示された。
ホログラムというやつだ。
「プロトタイプ用保護プログラムの作用で行動範囲の制御に成功している。しかし、不完全なプログラムで起動しているため、確たる保証は無い」
重々しい言葉にエイルクは固唾を呑んだ。
「とはいえ、不完全なプログラムが功を奏した。カメラに若干の死角がある」
背後にあるオフスイッチも有効である可能性が高い。
「つまり、そのスイッチを押すかロボット自体を破壊すればいい訳か」
応えた白銀にベリルは頷き、話を続けた。
「比較的、動きの良い白銀と私がそれを狙う。他は引きつけておいてもらいたい」
「リャムカもなかなか素早いぞい」