金のショートヘアに印象的なエメラルドの瞳、二十五歳ほどの外見に細身の体は筋肉質で、とても傭兵とは想像もつかない上品な身のこなしだ。

 厚手の前開きシャツにデニムパンツはどちらも青系で統一されていて、実際は高価な服では無いと思われるのだが、彼が着ていると高く見えてしまうから不思議である。

「久しいな」

 相変わらずのジジ臭い口調に白銀は思わず口元が緩む。

 ──白銀たちがベリルと初めて出会ったのは、地球時間で三ヶ月ほど前だ。

 冷たい印象を受ける外見とは違い、柔らかな物腰と物言いに不思議な安心感を覚えた。

「大体の内容は解った。どういったものだ」

 ベリルは、睨みを利かせているバルパルにさしたる関心もなく尋ねる。

「ふ、驚くなよ」

 バルパルは自信ありげに笑みを浮かべ、コンピュータの隣に被せていた白い布を取り払うと二足歩行のロボットが現れた。

 骨組みだけの外見に銀色のボディから伝わる、なんとも言い難い圧迫感に白銀は眉を寄せた。