「なにやってんのよ大丈夫!? どんだけハイテンションな修行してたの!?」


「小娘、今すぐ道場へ行け。永久が……」


「え!? 門川君がどうかしたの!? まさか彼も死にかけてるとか!?」


 絹糸は答える余裕もなく、パタリとその場に倒れて気を失ってしまった。


 あたしは一気に青ざめる。


 あぁ、これ、死にかけてるパターンだよ!


 あんな狭っ苦しい道場内で、千年生きてる神獣と常識知らずの天才が殺し合いなんかしたら、そりゃ死ぬわ絶対!


 あたしは大急ぎで絹糸を抱きかかえ、道場に向かって一目散に突っ走った。


 うおおぉぉ――! 急げえぇ!


 待ってて門川君! あたしが行くまで死なないで!


 行っても死なないで!


「門川君――!」


 結界の解けた道場に無我夢中で飛び込んだあたしの足が、ピタリと止まった。


 ミサイルでもぶち込まれたんじゃないかってくらい、凄まじい崩壊状態の道場の床に、門川君がうずくまっている姿が見えた。


 でも、あたしの見開かれた両目は、彼の向こうにある物を見つめていた。


「しま子……?」