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「おはよう!」



今日も朝早くからクラスの魚に餌をやっていると、二番のりした遥輝に声を掛けられた。



「……はよ」



いけ好かないと思っていたヤツが、実はすごくいいヤツなのかも……そう思いはじめても、なかなか素直になれない俺。

でも、このままじゃ俺だってスッキリしない。



「……この間は、ありがとな」



ボソッと言うと遥輝は白い歯を見せて笑った。



「別に俺はなにも。自分が思ったことを言っただけだよ」



なんでコイツはこんなに素直な言葉を口に出せるんだろう。


真面目なくせに嫌味がないのは、ものすごく純粋で素直だからなんだろう。

擦れていた自分に嫌気がさす。



「……なんでお前は、なんでこんなに早く来てんの?」


「毎朝ランニングするために早起きしてるし、せっかくだからちょっと早めに来てるんだ」


「ふーん。ランニングって、なんかスポーツやってんの?」