なのに、翌日から桃弥は口をきいてくれなくなった。

朝、おはようと言っても、無視される。
どうして?

「琉冬(りゅうと)……!なんか、桃弥がこっち向いてくれないんだけど…。」

桃弥の親友である琉冬に、あたしは助けを求めた。すると、琉冬は呆れつつも、あたしに全てを話してくれた。

アスパラベーコン君が、学校一のイケメンだと言われていること。

彼のファンクラブまであること。

ぬけがけは、一切禁止なこと。

あたしが、アスパラベーコン君と浮気しているという噂を、桃弥が信じていること。

あたしは、信じられなかった。

「そんなのひどくない?あたしは、桃弥が他の女の子と仲良くするの、許してあげてたのに。しかも、あたし、告白断ったんだよ!?」

「知らんわ。
でも、俺はさ、信じられなかったよ。お前が浮気なんて。だってお前、まわりがイケメンイケメンって騒ぐと、興味失せるタイプだろ?」

ううう。まぁ、そうだけど。

「しゃあないなぁ。俺がお前のこと、守ってやるよ。」

「……へ?」

「へ?じゃねえよ。ほんとにばかだな、お前。」

琉冬はそう言って、あたしの頭をくしゃくしゃっと撫でた。