固まるあたしを見て、彼は言った。
「分かってるよ。今でも桃弥のことが好きなんだろ?
だからさ、桃弥と二人で話して、区切りをつけてくれないか。それでも、やっぱり桃弥のことが好きだったら、それでいいから。」
彼は、あたしには到底できないことを、簡単に言った。
しばらく言葉が出ず、軽く咳払いをしてから声を出す。
「な……、何言ってるの?今更、桃弥と話すなんて、無理!」
「もう桃弥に言ってあるんだよ。向こうのカフェで待ってるから。じゃあな。」
琉冬は、言いたいことだけ言い、あたしを置き去りにして、走り去ってしまった。
どうすればいいのか分からず、しばらくその場に立ちすくんでいたが、仕方なく、示されたカフェに入ると、本当に彼がいた。
直視するのは1カ月ぶりで、話すのは……。