そのあと彼は、何故かすぐに目をそらして、フェンスを見た。緑色のフェンスから広がる真っ青な空に、ひとすじの飛行機雲が浮かんでいる。


彼の瞳は、きらきらと光って見えた。うるんだ瞳で、何を考えているのか、黙り込んでいる。


琉冬はいつだって、ニコニコしていて、優しくて、可愛い女の子に囲まれている、良い奴だ。

結構仲がいいと思っていたが、いつも彼が何を考えているのか、あたしは知らなかった。