初めてであったのは、数年前のことで。 彼は、憶えてるはずもないそのことを、 さらりと、呟くように言った。 「会ったこと、ありますよね?」 ごつごつした血管が浮き出る色白の手が、 少し、私の心を躍らせた。 遠い昔から、変わらない この気持ちを、彼は知るはずもない。 そんな、少しこそばゆいような気持ちを隠すように、 また、ウーロンハイに、口をつけた。