「…………んぅ……」

「あ、朱鳥起きた。おはよう。」

目を覚ますと、もう陽向先生の姿は無く、代わりに楓摩が私のそばにいてくれた。

「朱鳥、過呼吸、大丈夫だった?結構、長引いたみたいだけど」

「大丈夫だったよ。ちょっと、苦しかったけど陽向先生のお陰で収まったし大丈夫。ごめんね、心配かけちゃって」

「ううん。大丈夫。朱鳥が、無事ならいいんだよ。まぁ、もう、夜ご飯できてるし、食べよっか。」

そう言って、楓摩は、私の事を抱き上げてくれた。

「……あれ、朱鳥、なんか熱くない?」

「え?」

いきなり、楓摩にそう言われ戸惑う。

「ちょっと、リビング行って、熱計ろっか。」

リビングのソファに座らせられて、体温計を挟まれる。

ピピピピピッ♪

ピピピピピッ♪

「あ、やっぱり微熱あるじゃん。」

そう言って楓摩に見せられた体温計には37.3の文字。

「じゃあ、今日はご飯食べたらすぐに寝な?さっきまで寝てたから眠くないと思うけど、熱あるなら寝てた方がいいからさ。」

楓摩は、そう頭を撫でてくれるけど、私には不安が1つ。

「…楓摩、明日、学校行っちゃダメ?」

「うーん。どうかな。明日までに、完璧に熱が下がってたら4時間目まで許してあげる。」

ニコッと笑ってくれた楓摩の笑顔を見ると、今日あった嫌な事が全て消えてしまうような気がした。