がちゃっと音がして


焦る。


吹部の奴ら使わなそうだったのに。


入ってきたのは見知った顔。


最近俺の心の中に土足で踏み込んでくる女の子。



「きいてたのかよ…」


人前で歌うのは苦手じゃないけど

いまのうたを人前で歌うのは嫌だ。


「さ、さく……」


目の前で君はぼろぼろ泣く。


「朔の歌は人の心動かすね…すごいね…」


大袈裟すぎる。そんなわけない。