「は〜い、お前ら邪魔だ!ほら散った散った〜!」



と言って、野次馬たちを俺から遠ざけてくれた。


前の席の…浅野……だったっけ。



「野村、朝から面倒なことに巻き込まれたな〜」



珍しく話しかけられた。


フレンドリーで有名な浅野だけど、今まで俺には話しかけてこなかった。


一匹狼のオーラを放ってたんだろうか、俺は。



「……ああ」



「俺、浅野拓実。よろしく!」



12月にもなって自己紹介って…


可笑しくてフッと笑ってしまった。



「今、笑った?なぁ、笑っただろ!」



「ああ。さすがに12月にもなれば、クラスメイトの名前くらい覚える。よろしく、浅野」



直感で浅野とは仲良くなれそうだと思った。


望愛に言われた通り、すぐに友達ができた。