小さい声だったけど、はっきり聞こえた。


しかも呼び捨て。


もう嬉しすぎて、にやけがとまらない。



「…え?笑ってる?」



「ごめん、あまりにも可愛かったから」



またさらに望愛の顔が赤く染まった。



それにしても、



「やっぱり寒いな…」



今は12月。


まだそんなに冷え込んではいないものの、長時間も外にいると体温が奪われていく。



「そろそろ、帰る?」



「……まだ帰りたくない…」



「わかった。でもあと5分な?風邪引くから」



「…うん」



そのまま俺たちは寒い公園でずっと抱きしめ合っていた。