中庭には誰もいなくて、とても静かだった。
ポツンと置かれたベンチに腰を掛ける。
「…野村くん、私に何か話があるの?」
橋本さんも俺の横に座る。
「話っていうか、ただ一緒に弁当食べながら世間話でもしようかなって。言ったじゃん、基本暇だって。だから橋本さんに暇をつぶしてもらおうと思って」
「私に暇をつぶしてもらうって…野村くん変な人だね」
「変な人だよ。友達いないし」
「私は?」
「ん~、何だろ…友達候補?」
「ふふっ、友達候補って初めて聞いた」
「どういう関係になったら友達か分かんないんだよね」
「それは人それぞれじゃない?私は一緒に話してて楽しかったらかな」
「じゃあ、俺と話してて楽しい?」