「あのさ、弁当一緒に食べない?」
そう、提案というのは弁当を一緒に食べるということ。
信頼されてないのなら、信頼されるようにすればいい。
弁当を食べながら他愛のない話をすれば、信頼してくれるんじゃないか。
でも、問題は承諾してくれるかだ。
橋本さんは急な提案に戸惑っている。
沈黙が俺の心拍数を上げる。
「うん、いいよ。どこで食べる?」
「…え?ああ、えっと…じゃあ中庭とかどう?」
「中庭ね、分かった。お弁当持ってくるからちょっと待ってて」
そして橋本さんは弁当を取りに教室に戻る。
まさかこんなあっさりと承諾してくれるとは思わなかった。
びっくりしすぎて俺も戸惑ったし。
「おまたせ。じゃあ行こっか」
俺と橋本さんは一緒に中庭に向かって歩き出した。