「ちょっと公園まで行ってくる」



「遅くならないようにね」



「分かった」



家を出て、走って公園まで向かう。


俺は徒歩通学だし、公園までは家から近い。



「ハァハァハァハァ…」



公園に着いた。


ベンチに人影が見えた。


見つけた。


だんだん人影に近づいていく。



「橋本さん」



そっと声をかける。


今までフルネーム呼びだったけど、さすがに本人に直接言うのはまずい。


すると橋本さんは俯いていた顔を上げて、俺の方を見た。


橋本さんの顔は涙でぐちゃぐちゃになっていた。