そう言われ、腕を引かれる。


突然のことで前のめりになる。


気付けば、俺の瞳には望愛の顔のドアップが映り、唇には何かが触れていた。


すぐに唇から離れ、頬を赤く染めた望愛はそそくさと部屋を出ていった。


……望愛にキスされた。


理解するのに時間がかかった。


顔が一気に熱くなる。



「今のは……反則だろ…」



朝っぱらから胸の鼓動がうるさかった。


その後も望愛のせいで落ち着くことはなかった。


初めて望愛と過ごすクリスマスは、とてもいい思い出になった。