「ひゃっ」


望愛が驚いた声を上げる。


なぜなら俺が望愛を抱きしめたからだ。


俺の顔が見えないように、望愛の後頭部に左手を当てて、俺の胸に顔をうずめさせる。


今の俺にとって、落ち着く方法はこれしか思い浮かばなかった。



「このままだと寝れないから抱きしめさせて。何もしないから」



「……うん」



しばらくすると規則正しい寝息が聞こえてきた。


それから俺は目を閉じた。