俺は久しぶりに故郷に帰ってきた。
何年ぶりだろう。
仕事が忙しくなって、3年・・・・・・4年くらいかな。
それくらい帰っていなかった。
おばあちゃんと最後に会ったのも、それくらい前だ。
もう三十路に近い年齢である自分が、生まれた時から住んでいたこの地に立っている事に何故か違和感を覚えた。
家族、親戚を含め15人くらいのこじんまりとした葬式だった。
読み上げられる弔辞に不覚にも目頭が熱くなった。
だがそこはぐっと堪え、数珠を指先で触って意識をうつす。
隣でおふくろは泣いている。
親父の顔は・・・・・・だめだ、見えない。