これが最初にじいちゃんに送った手紙だろうか。
じいちゃんが読んだかは分からない。
切手は貼ってあるが消印が無いのを見ると、書いたはいいけれど違うことを書きたくなって没にしたのだろうか。
だとしたらなぜ大切に何十年もとっておいたのだろう・・・・・・。
その手紙は元の封筒にしまい、缶には戻さず別の場所に置いた。
缶の中身を封筒の劣化具合からだいたいだが年代別に並べてみることにした。
封筒には全て宛名が書いてあり、親父の名前やおふくろの名前もあった。
それと知らない名前もいくつか。
ここ何年かの封筒はほとんど俺宛だった。
俺宛のものが1番多い。30...いや40はあるだろうか。
その中から特に一番古そうな封筒を選び、中を見た。
やはり何枚か便箋が入っていた。