栄夏の提案に私は乗った。
「遊びたい!」
「私も今日は行ける!」
さっき受け取ったばかりの成績表は丸めて鞄の中に。
軽いバックが重く感じないのは、遊びに行くからだろう。
暫くは、成績のことを考えなくていい。
「どこに行こっか?」
美結が校門の前で足を止める。
どこに行くかも決めずに、ここまで来たわけだから笑えてくる。
「駅前のショッピングセンターは?」
「新しく出来た、アイスのお店!」
「……じゃあ、どっちも行こう!」
栄夏と美結の意見がガッツリ割れたから
どっちもに行けばいいか。
「「アイスのお店と駅前、反対」」
何故、提案に対する愚痴はハモるのだろうか。
「向日葵っ」
美結に右腕を掴まれる。
「向日葵」
若干威圧感を演出しながら、栄夏が左腕にくっつく。
またきた。
この流れ。
「「向日葵、どっちがいい?」」
三人ってこういう時に困る。
「うーんと……」