+*向日葵side*+
昔、付き合っていた人に嫌がらせを受けた。
そんな些細なことが、言えなかった。
私にとっては、些細でもなんでもなくて、ただただ怖かった。
でも、言えなかったからこそ、星哉から誤解を受けた。
あの悲しげに影を描き出す瞳は、忘れられない。
でも、充分に私も怖かった。
言えるわけないじゃん。
自分の落ち度で、高校突き止められて、待ち伏せされて。
そのあと、どうなったかなんて誰にだって分かるでしょう?
それを、自分の口から言うことなんて無理だった。
どんな言葉で罵倒されるかなんて、分かってた。
星哉は、知らない。
その相手、この高校に友達がいること。
その人が、私のことを言ってしまったこと。
それが、あなたの親友だってこと。