そっちからいきなり終わりにしないで。






そんなの私にとって幸せじゃないのに。






先のことなんて考えなくていいから私を側にいさせてよ。





「星哉、私嫌だよ」





「向日葵、俺も嫌だよ。だけどさ」





間近にある目の奥は凛々しかった。






「あんな経験しても、勘違いされても今度は反論出来る奴になれ」






「せ、いや」


涙って、なんで枯れないんだろう。





こうやって、流れてくれるんだろう。




星哉に関することで、何回泣いた?






「俺みたいに、弱くなるな」






どうして?





弱くなんかない。





その選択こそ強いということなのに。





「だから、俺から離れろ」





はがされた体。




「離れられないよ……」





ずっとずっと知りたかった。






あなたが何を想っているのか。





それがやっと分かったのに。







それが、私と同じ答えだったのに。





ここで易々と下がれるわけないじゃん。






だって、これからじゃないの?





こんな風に、やっとなれたんだから。





いつもいつも願ってたことが叶ったら、人って強くなるんだよ。





「向日葵」




星哉が何かいう前に私は、笑って聞き返す。






「ぶっちゃけ、一年や二年、一人で過ごせないでしょ」






「はは、それもそうか」






乾いた笑い声に私も顔を見合わせて笑ったけれど。





何故だろう?



その時の星哉は。







冷たい自嘲を浮かべていたんだ。