でも運悪く、他のクラスの終了と重なって、人混みに包囲されてしまった。
なんだ、この人の数。
いつもはこんなに、いなくない?
これから部活にいくのだろう、エナメルバックが行く手を阻む。
お前はご主人様の後ろにいろ、横にはみ出るな!
バトミントンのラケットならそんなに邪魔じゃない!
と、適当な相手をしてやり、校門に流れ着く。
珍しく二足制の校則を拝んで、人混みから抜け出す。
人混み、嫌い……。
「向日葵、どうしたの? そんなに急いで」
「あ、美結、今日は習い事あって」
心にも事実にもないことを並べ立てて学校を後にする。
「バス、来てる」
後ろから追っかけてくるバス。
待て、お前に乗りたいんだあ!
キャラ崩壊なのも承知の上、バス停へと走る。
だって、これに乗れなかったら速く来た意味がない。