+*優翔side*+
玄関に消えてく彼女を見送って俺はため息をついた。
俺としたことが。
色々と言い過ぎた。
彼氏がいるなんて、そんなことまで。
彼女は幸いにして鈍い。
だから、何とも思ってないみたいだけれど。
「俺が好きなのは、萩本さんだよ……」
誰にも聞き取れないような声で呟いてみる。
「気付いてよ……」
俺の事なんて、何とも思ってないんだろ?
軽々しく、イケメンだとか言うなよ。
そういうところ、ダメなんだよ。
好き、言いたくなるだろ。
俺のものになって、抱き締めたくなるだろ。
そういうところ可愛いな、キスしたくなるだろ。
どうしよう……抑えられそうにないよ、この気持ち。
星哉は親友。
その彼女を好きになるなんてただのバカか、俺は。
なのに、淡い期待は粉々に溶けてもまた出来ちゃうから。
「あーあ」
こんなにも、不甲斐ない。