こんな関係、お互いに何も残らない。





星哉にも、最後に良い想い出はついてこない。






私は、今まで十分に彼に幸せをもらった。
それが、上っ面だけだったとしても、
私の中では最大級の幸せだった。





だったら、今度は私が
彼の幸せを願う番だ。







隣で支えるのは
私がしたいことで彼がしてもらいたいことじゃない。






……なんて。
ただの自分の意地っ張りだけど
きっと今の関係は彼にいい影響を及ぼさないから。








きっと、彼は言えないんだろう。
私に別れを切り出したら、だめだって
そういうレベルの人と思われてる。







だから、私から言わなきゃいけないのに。







喉がつっかえて言葉が出ずに
また、涙だけが流れる。


 


  
星哉も、困惑した表情で私を見ていた。