「でも、私の予測だけどさ。向日葵もそうだけど吉岡もちゃんと恋してるよ」
星哉が、恋してる。
「私、それが最近分からないの」
「吉岡が?」
「……うん」
気持ちが不安定なのは当たり前。
いきなり余命とか入院とか、気が狂うと思う。
それでも、美結に危機感を感じてしまうのはそれだけ星哉の方も頼りないということで。
惹き付けておくことなんて、私は出来ない。
そもそも、この私のどこを選んだのかも知らない。
星哉に私が好きと伝えるほどその距離は開いている。
「そんなことないと思うよ」
心なしか目を和らげる栄夏に何かの説得力を感じて黙ってしまった。
そうなのかな。
そうだといいな。
過去のことを無いことには出来ないにせよ、
区切りをつければ二人とも楽になるのは本当。
その時に星哉が負い目だけの関係を断ち切るならしょうがない。
でも、そうじゃないのなら。
「好き、ってお互いに言えたらいいな」
「そうだね、言えると思うよ」
少しだけ、スッキリした気がした。