「ごめん、私は星哉の思うような、彼女にはなれない」








「え?」





理解できない顔でこっちを見ている
星哉に胸が締め付けられる。







私は、臆病で小心者だ。
たかが、病気ひとつですぐ、ぐらつく。





「すぐに受け入れられないし、きっと最期まで目を逸らさないでいられる自信はない……」






「すぐ受け入れる程超人だなんて、向日葵のこと思ってないよ」





いつもと変わらない笑顔で辛辣な冗談だ。
笑わせようとしてくれてるんだな、
そんなことすぐ分かるのに、笑えなかった。





「私は、星哉がいなくなってしまうと知っても、側で励まし続けられるのか分からない」






これが決定打だ。
きっと、彼は私に失望して嫌いになって
今度こそ、魅力的な女子を彼女にするだろう。





それでいいんだ、
はやく、失望して私を見限って。



「それは」






君くらい信じてよ。





くらいなんて、そんなにたくさんの人が信じなかったのなら。







それだけ、影響を与えている人が多いということなのに。









私と星哉のねじれた関係は
私が素直じゃないからこそ出来てしまった。



  




あの時終わるはずだった幸せを
ここまで星哉がのばしてくれた、
ただそれだけのことだ。
 






 



彼女と言えるほど、彼に何かを預けてる訳でもない。






もたれかかっているのは、いつも贖罪。







そんな私は。







その事実を受け入れ、引っ括めて(ひっくるめて)彼が好きでそれなりの覚悟をすることなんて。







出来なくて、
お互いのために、きっと。




この関係にピリオドを打つべきなんだ……