「星哉無しはきついだろ……」
「まあ、嘆いても何も変わらないし」
他の部員がパニックになってるのに反して
武田君は、冷めているのか
もう整理がついたのか落ち着いていた。
「土曜だけでも出られねぇ?」
信じきれない一人の部員が
頭を下げる。
それだけ大事な一員だと思うと
私が誇らしいけれど。
「無理、かな」
病気だし。
その後の彼の言葉はさっきより
また重く響いて。
近くになかった病気って言葉が
やっぱり実感なく現れる。
なんで、星哉が。
なんで彼なの?
そんな空気に教室全体が包まれて、
私も思わずまた、そんな気持ちになってしまう。
なんで、星哉が。
誰でもなく、何故あなたなんだろう。